40代からのキャリア棚卸し|自己分析のやり方

「転職したいけど、何から始めていいかわからない」
「そもそも自分に何ができるのか分からない」

そんな40代・50代の方にこそ、まず取り組んでほしいのが「キャリア棚卸し」です。
過去の経験を振り返り、自分の強みや価値観を言語化することで、これからのキャリアの選択肢がクリアになります。

目次

なぜ40代はキャリア棚卸しから始めるべきか?

40代は、仕事や家庭環境に変化が訪れやすく、キャリアを見直すタイミングでもあります。

・昇進や役職の限界を感じる
・体力や家族の両立が気になり始める
・「このままでいいのか」と違和感を持つ

このように、これまで順調に働いてきた方でも、ふと立ち止まる瞬間が訪れます。

とはいえ、いざ転職や副業を考えても、「40代で自分の強みがわからない」「希望条件をうまく言語化できない」と立ち止まってしまう方は少なくありません。

そんなときこそ、「キャリアの棚卸し」によって、自分自身を見つめ直すことが重要です。
履歴書を書く前に、自分の軸を整理しておくこと。それが、後悔のないキャリア選択につながります。

棚卸しの基本ステップとポイント

キャリアの棚卸しは、やみくもに振り返るのではなく、順序立てて行うことで効果的になります。
ここでは、40代の転職・キャリア見直しに役立つ3つの基本ステップを紹介します。

【ステップ1】年表でキャリアをざっくり振り返る

まずは、「どんな経験をしてきたか」を思い出すところから始めましょう。

・時系列で会社や部署、担当業務を並べる
・異動や転職の理由もあわせて書き出す
・主観ではなく「事実ベース」で整理する

イメージをつかみやすくするために、 紙に手書きで年表を作る か、 マインドマップアプリ(例:XMindMindMeisterなど) を使って整理するのがおすすめです。

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たとえば、ノートに「〇年 入社 → 〇年 異動 → 〇年 転職」というように、これまでの出来事を時系列で並べてみましょう。その横に「どんな仕事をしていたか」「異動や転職の理由」「印象に残っている出来事」などを書き添えると、頭の中が整理されて、自分のキャリアの流れがはっきり見えてきます。

▼キャリアの棚卸し 年表サンプル▼

このように年表形式で“キャリアの流れ”を可視化すると、自分の強みや転機が見えてきます。

マインドマップは下図のように、真ん中に「仕事の棚卸し」と書いて、そこから「会社名」「部署」「仕事内容」「転職理由」などを枝のように広げていくと、これまでのキャリアの流れや全体像がひと目で分かるようになります。

“あ、自分ってこういう経験をしてきたんだ”と再確認できます

マインドマップサンプル

例えば ── 

仕事内容 → 得たスキル・経験
どんなスキルが蓄積されているのか、意外な強みが見つかることも。

会社名 → 社風や業界の特徴
自分に合っていた環境か、なぜ働きにくかったのかが見えてきます。

転職理由 → 変化したこと・きっかけ
転職したことで何が変わったか。今の職場と比べる視点が得られます。

【ステップ2】STAR法で成果・行動を言語化する

次に、印象に残っている業務や成果を「STAR法」で整理します。


S(状況) 
         


T(課題) 
         


A(行動) 
         


R(結果)      
        

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あなた自身の印象的な業務や成功体験も、この流れにそって整理してみましょう。
書き出してみるだけで、自信の持てるエピソードになります。

【ステップ3】価値観・モチベーションを見つめ直す

スキルや経験だけでなく、あなたが「本当に大切にしたいこと」は何か。
それが見えてくると、転職の選択肢がグッと絞りやすくなります。

たとえば、これまでの仕事の中で「やる気が高かったとき」「つらかったとき」を時系列で書き出してみると、自分がどんな環境や仕事内容に反応するのかが見えてきます

  • どんな仕事にやりがいを感じたか
  • どんな職場環境が自分に合っていたか
  • 逆に「もうやりたくない」と思ったことは何か

【実例紹介】キャリア棚卸しで「転職の軸」が見えてきた話

私自身、製薬業界で20年以上働いたあと、45歳で未経験の臨床獣医へ転職しました。

当初は「獣医のスキルはほぼゼロ。自分に何ができるのか?」という不安ばかりでした。

しかし、キャリア棚卸しを通じて「社内外との信頼構築」「誠実に学び続ける姿勢」が自分の武器だとわかりました

そこから、「誠実に畜産と向き合う仕事がしたい」という方向性が明確になり、志望動機もブレずに伝えることができました。

自分の「価値観」や「大切にしたいこと」を言語化できると、転職活動や将来の選択がグッとしやすくなります。

とはいえ、ひとりで整理するのは大変なことも。

💬「自分ではうまく言語化できない」
💬「このモヤモヤが何なのか分からない」

実際、私もこうして「方向性」が見えたことで、転職活動がグッと進みました。

自己分析に使えるおすすめツール・フレームワーク

「自分にどんな強みがあるのかわからない」という方は少なくありません。
まずは使いやすいツールから始めて、見えてくる傾向や特徴を確認してみましょう。

自己分析に役立つおすすめ無料ツール比較

どれも登録後すぐに診断スタートできて、5〜10分ほどで完了します。

アキヒロ

診断結果をメモしておくことで、転職活動やキャリアの整理にも役立ちますよ。

ツール名特徴・できることこんな人におすすめ
グッドポイント診断(リクナビNEXT)本格的な強み診断(18種類の中から5つの強みを特定)診断結果は職務経歴書にも活用OK自分の「強み」や「人柄」を明確にしたい人
ミイダス適性診断ストレス耐性・向いている職種・上下関係の傾向などを分析驚くほど深い「性格診断」も可能「どんな働き方が合うか」を知りたい人
キャリアアンカー診断「お金・安定・挑戦・専門性」など、働くうえで譲れない価値観を診断「何を大切にして仕事を選ぶべきか」迷っている人

ジョハリの窓|「人から見た強み」を知るフレームワーク

ジョハリの窓とは?
人の特徴や強みを「自分と他人、両方の視点」で4つに分けて整理する心理学モデルです。
なかでも「人から見えていて自分では気づけない強み(盲点の窓)」は、自分だけでは発見しにくく、キャリアの棚卸しでもとても重要な視点になります

こちらが「ジョハリの窓」の基本的な構造を表にしたものです。4つの領域に分かれており、それぞれが自己理解と他者からの理解の違いを表しています。

「ジョハリの窓」は4つの領域で構成されており、特に“盲点の窓”や“秘密の窓”に気づくことで、思いがけない強みが見えてくることもあります。

書き出しワーク|自分でも気づけなかった“思考のクセ”

棚卸しや自己分析は、「今すぐ転職!」のためだけではありません。

✔︎ 自分の棚卸しをすると、現職をどう活かすかも見えてくる
✔︎ やりたいことが明確でなくても、「やりたくないこと」が見えるだけで大きな前進

アキヒロ

まずは週末1時間、自分と向き合う時間をとってみてください。

まとめ|“問いを持つこと”がキャリアのスタート

キャリアの棚卸しは、自分に「問いを立てる」ことから始まります。

✔︎ これまで何をしてきたか
✔︎ どんな時に喜びを感じたか
✔︎ どんな未来をつくりたいか

すぐに明確な答えが出なくても構いません。
考え始めること自体が、大きな一歩になりますよ。

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この記事を書いた人

元製薬会社勤務。現在は産業動物獣医として働きながら、40〜50代のキャリアチェンジや未経験転職に役立つ知識や実体験を発信しています。自ら未経験分野へ転職した経験から、ミドル世代が働き方を見直す際のヒントになる情報をまとめています。

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